【発達障害・ASD】クレーン現象の理由

こんにちは!
発達障害のきょうだいを育てるどれみそと申します。

現在小学校低学年となった息子も、よくやっていたクレーン現象。
はじめのうちは「息子が自分から手を握ってくれるようになったわ!」
と喜んでいたのですが、理由を知って愕然…。

今回はそのクレーン現象について、いち経験者の視点でお話します。
我が子のケースを元にした適当な思い込みも含まれていますので、ゆるーく読んでいただければ幸いです!

クレーン現象とは

クレーン現象とは、お子さんが親などの手を掴み、何かをしたい所へ持っていこうとする行動。
ASDのお子さんにもよく見られるそうです。

トップのイラストでは、親の手を掴んで、リモコンへ向かって放り投げていますね。
これは、息子がテレビを見たい時のクレーン現象です。
少々荒っぽいのが可愛いですね!

クレーン現象の理由3つ

クレーン現象の理由は大体この3つだと思います!

①何かやりたいことや、こうなってほしいという欲求があるから
②”大きな手”があれば、思い通りになることを知っているから
③他に良い方法が無いから

なぜそう思うのかを語らせてください。

①何かやりたいことや、こうなってほしいという欲求があるから

やりたいことや欲求があるということは、自我が芽生えてきている証拠。
お子さんの立派な成長過程です。

歩けるようになって世界が広がり、興味関心もどんどん湧いてきますよね。

その欲求を実現するための手段として、お子さんが編み出したのがクレーン現象なのです。

②”大きな手”があれば、思い通りになることを知っているから

万能アイテム”大きな手”

“大きな手”は、クレーン現象の時に掴む大人の手のことです。

お子さんは自分の欲求が満たされる時、この”大きな手”が高確率で登場することに気がつくんですね。

例えば「テレビ観たいわー」と思っている時。
“大きな手”がリモコンに触れると、テレビが点きました。

またある時は「部屋から出たいわー」と思っていると、”大きな手”がドアに触れて、ドアが開きました。

そのうち「この”大きな手”があれば何でもできるのでは?」ってなって、
それを使ってやろうと考え始めるんですね。

クレーン現象の誕生です。

なんだろうこの切ない気持ち…の理由

ところで皆さん、先程から「おや?」と感じていると思います。

…親?

ここでみなさんに悲しいお知らせがあります。
このお話には“親”が登場しません

クレーンをやっているお子さんが見ているのは、その”大きな手”と欲求対象のモノだけ。
私たち親の存在はきっと薄いです。

親子サークルなんかに行くと気づくはずです。
他の親子と同じように、お子さんの要求に応えているはずなのに、どこか虚しさを感じる…

クレーン現象は確かに他者を必要とする行為ではありますが、コミュニケーションが成り立っているとは言い難いかもしれません。

③他に良い方法が無いから

自閉症のお子さんにとってクレーン現象は、要求をかなえるための行動として最適解だと思います。

なぜかというと、指差しができないからです。

指差しという無理ゲー

定型発達のお子さんは、クレーン現象ではなく指差しによって要求を伝えようとします。

指差しとは、やってほしいことや興味のある場所に人差し指を向ける行為。
親など他者の注意を引きつけ、欲求を伝えることができます。

ただし、これには他者との目線を使ったコミュニケーションが不可欠です。

コミュニケーションは、ASDのお子さんが苦手とする分野ですね。
この場合、具体的には”共同注意”ができるかどうかが鍵となります。

共同注意という無理ゲー

共同注意とは、互いに同じものや場所を見ることができる力です。
指差しは、相手が見ている場所がわかる。または、自分が指差した場所を相手が分かってくれるという前提がなければ、成り立ちません。

また別の機会に詳しくお話できればと思いますが、定型発達のお子さんは、この”共同注意”が幼い頃から自然に身につくそうです。
なぜなら生まれたときから、人の顔を優先的に注視するようプログラムされているから。

一方、自閉症のお子さんは人の顔を優先的に見る力が備わっていません。
それよりも、他の目立つものごとに目線が行きがちです。

クレーン現象か指差しかというのは、幼い頃から、人の顔をどれだけ見てきたかの違いではないかと思います。

まとめ(+希望のことば)

クレーン現象について、思う存分書かせていただきました。
また新たな知識を得るたびに内容が覆る可能性もありますので、その都度訂正を加えたいと思います。

わりと暗めの内容になってしまった気がするので、救いのことばをひとつ。

村中直人さんの著書『ニューロダイバーシティの教科書』にあった表現を使わせて頂くと、

定型発達のお子さんが「にんげんに先に出会う人たち」ならば、
自閉症のお子さんは「ものごとと先に出会う人たち」である。

そう!
つまり!

あとでちゃんと人間とも出会います!!

全てのお子さんが当てはまるとは断言できませんが、少なくとも我が子はその後、ちゃんと私と出会ってくれました。
あの頃は正直辛かったですが、今はとっても幸せです。

ちなみに下の子も同じように自閉スペクトラム症と診断されていますが、クレーン現象はありませんでした。
実に様々なお子さんがいるため、ここに書いた内容が全てではないことをご留意ください。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!